劇場版名探偵コナンは、毎年監督・脚本家が交代します。
監督×脚本家の組み合わせによってそれぞれのカラーが出てくるのもコナン映画のおもしろいところではないでしょうか。
この記事では、2024年公開の最新映画『100万ドルの五稜星』でタッグを組む永岡智佳氏×大倉崇裕氏の作品と特徴について解説します。
劇場版名探偵コナン:永岡×大倉コンビの作品一覧表
作品名 | スタッフ(敬称略) |
---|---|
から紅の恋歌 | 助監督:永岡智佳 脚本:大倉崇裕 | 監督:静野孔文
紺青の拳 | 脚本:大倉崇裕 | 監督:永岡智佳
100万ドルの五稜星 |
永岡智佳監督と大倉崇裕氏のプロフィール
永岡智佳(ながおかちか)
名探偵コナンには長い関わりがある監督です。
『絶海の探偵』から演出として参加。
その後、助監督を経て監督に抜てきされています。
『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズ
大倉崇裕(おおくらたかひろ)
本業はミステリー作家をされています。
大倉氏原作のドラマ『福家警部補の挨拶』を見た青山剛昌先生の推薦により、アニメ脚本家としてデビューしました。
その時の詳細ないきさつや裏話はこちら。
インタビューの中で小説とアニメ脚本の違いなども話されていて、面白いですよ。
新作『ルパン三世』はシャーロック・ホームズが登場するミステリーものに!小説家・大倉崇裕が『名探偵コナン から紅の恋歌』『紺青の拳』を経てPART6のシリーズ構成に抜擢されるまで【インタビュー】
『ルパン三世』シリーズ
劇場版名探偵コナン:永岡×大倉コンビの作品
永岡・大倉両氏は、これまで
『から紅のラブレター』:助監督+脚本
→『紺青の拳』以降〜:監督+脚本
と形を変えてタッグを組んでいます。
永岡×大倉作品の特徴
平次&和葉が主役の『から紅の恋歌』『100万ドルの五稜星』、京極&園子メインの『紺青の拳』と、両氏はラブコメ色が強い企画を担当している印象です。
原作者の青山先生も明言しているように、コナンは「ラブコメミステリー」なので、ミステリーだけでなく恋愛要素も絡んでくるのが大きな特徴ですよね。
とはいえ劇場版には恋愛描写がほぼゼロのものもありますが、これまで両氏がチームを組んだ作品はしっかりとラブ要素が入っており、コナンらしい「ラブコメミステリーの王道」といった感じでしょうか。
お2人の持ち味はというと、永岡氏はキャラクターへの理解が深くラブコメ描写が得意、現役ミステリー作家の大倉氏はやはり謎解きの作り込みがすごいという印象がありますね。
両氏がそれぞれ「ラブコメ」と「ミステリー」をバランスよく補強しているように思います。
から紅の恋歌(ラブレター)
監督:静野孔文
助監督・絵コンテ協力:永岡智佳
脚本:大倉崇裕
小五郎に同行し大阪のテレビ局を訪れたコナンたちは、平次と和葉にはちあわせる。
そして、平次を「未来の旦那さん」と呼ぶ百人一首の高校生チャンピオン・大岡紅葉に出会う。
驚くコナンたちだったが、そこにテレビ局の爆破予告が!
間一髪のところで全員助かるが、今度は有名な百人一首団体の会員が殺害されてしまう。
そんな混乱の中、百人一首の新たな高校生クイーンを決める大会が開催される。
ひょんなことから選手として出場することになった和葉は、「勝った方が平次に告白できる」という条件で紅葉と戦うことに!
紺青の拳(フィスト)
監督:永岡智佳
脚本:大倉崇裕
19世紀末にシンガポール近郊に沈んだとされる、世界最大のブルーサファイア「紺青の拳」。
伝説の秘宝をめぐって大きな陰謀がうずまく中、殺人事件が発生。
現場には怪盗キッドの予告状が残されていた。
同じ頃、空手トーナメントに出場する京極真を応援するため、蘭・園子・コナンは現地を訪れる。
そこには新一の姿もあり…!?
100万ドルの五稜星(みちしるべ)
引用 株式会社 B ZONE
監督:永岡智佳
脚本:大倉崇裕
幕末に活躍した新撰組の副長・土方歳三。
彼にまつわる刀を所有する北海道・函館の財閥あてに、キッドからの予告状が届く。
一方、服部平次とコナンたちも函館で行われる剣道大会のために現地を訪れていた。
犯行予告当日、平次がキッドの変装を見破り追いつめるが…!?
そんな中、函館の倉庫街で遺体が発見される。
容疑者として浮上したのは、武器商人の男だった。
「死の商人」と呼ばれる彼の探している宝は、キッドが狙う刀と関係があるようで…。
名探偵コナン:永岡監督・大倉氏の参加作品と見どころ
永岡氏と大倉氏はこれまでコナンシリーズに何度も参加しており、両氏が別々に担当した作品もあります。
永岡監督の参加作品と特徴
永岡氏はキャラクター愛が強い印象で、それぞれの性格や持ち味への深い理解をベースに、新たな一面を引き出してくれています。
たとえば、『紺青の拳』でのいつもと違うキッド×コナンの関係性や園子の前髪は永岡氏のアイディアとのこと。
詳細はこちらのインタビューをどうぞ。
京極のオーラはこの映画だからOK?「コナン」制作裏を監督とPがぶっちゃける
キャラクターへの理解が深いので、ラブコメ描写も説得力があります。
【劇場版】
- 『絶海の探偵(プライベート・アイ)』演出
- 『異次元の狙撃手(スナイパー) 』演出
- 『業火の向日葵』演出
- 『純黒の悪夢(ナイトメア)』演出
- 『緋色の弾丸』監督・絵コンテ・演出
【テレビアニメ】
- 『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 史上最悪の二日間」演出
- 891-892話『幕末維新ミステリーツアー(山口編・萩編) 』絵コンテ
大倉氏の参加作品と特徴
現役の推理作家・大倉氏の持ち味は、やはりミステリー面での完成度です。
コナンの映画・テレビアニメはざっくり分析すると「ミステリー」「ラブコメ」「アクション」の3要素で構成されていると言っていいでしょう。
これら3要素のうち、大倉氏が関わる作品は特にミステリー要素が作り込まれていて、仕掛けが多い印象です。
そして、ミステリージャンルの引き出しの多さも大きな魅力ですね。
たとえば犯人の動機を主眼においた「ホワイダニット(why done it=なぜ犯行に及んだのか)」ものや、犯人をコナンが追いつめていく「倒叙」ものなど、バリエーションが豊富です。
事件ごとのクオリティだけでなく、幅広いスタイルのミステリーを見せてくれるところが大倉脚本の醍醐味と言えるかも。
【劇場版】
- 『ハロウィンの花嫁』
【テレビアニメ】
- 829話『不思議な少年』
- 855話『消えた黒帯の謎』
- 936話『フードコートの陰謀』
- 965-968話『大怪獣ゴメラVS仮面ヤイバー』
- 1039話『空飛ぶハロウィンカボチャ』
まとめ
この記事では永岡・大倉両氏の参加作について紹介してきました。
まずは監督×脚本としてコンビを組んでいる作品
- 『紺青の拳』
- 『100万ドルの五稜星』
からチェックするとよいでしょう。